2022年1月10日に1536を付けたVN-INDEXですが、11月16日に873まで下げ、約42%の暴落を起こしました。
ここは長期投資家の出番ですね。
せっかくのチャンスですので、優良銘柄を仕込みたいところです。
今回はSSI証券でスクーリングを行い、安定財務かつ成長力を備え、かつ割安な会社を12社ピックアップしてみました。
3拍子揃った会社を仕込むチャンスです♪
安定財務かつ成長力を備え、かつ割安な会社
SSI証券が利用しているFiinTrade Rank という数値でスクリーニングしました。
それぞれの数値がAランクまたはBランク、かつAが3つ以上ついているものです。
データは2022年12月時点のものです。
- Value(価値、割安度)・・・Value株のランキング
- Growth(成長性)・・・成長株のランキング
- Momentum(勢い)・・・現在の勢い
- VGM(財務)・・・財務評価のランキング
Ticker | 社名 | 価値 | 成長 | 勢い | 財務 |
---|---|---|---|---|---|
SMB | サイゴンビール中部 | A | A | B | A |
CSV | 南部基礎化学品 | A | B | A | A |
DCM | ペトロベトナム・カマウ肥料 | A | A | B | A |
DPM | ペトロベトナム化学肥料 | A | A | B | A |
DPG | ダットフオン | A | A | B | A |
LCG | 第16リコジ建設 | A | B | A | A |
VCS | ビコストーン | A | A | B | A |
VSH | ヴィンソン・ソンヒン水力発電 | A | A | B | A |
SHS | サイゴンハノイ証券 | A | A | B | A |
ASM | サオマイグループ | A | A | B | A |
HAH | ハイアン運輸荷役 | A | A | B | A |
LHG | ロンハウ工業団地 | A | A | B | A |
業界も分散されてて、良いバランスです
ROE、PERのバブルチャート
縦軸がPER・横軸がROEとなります。円の大きさが時価総額となります。
データは2022年12月時点のものです。
ROEをみても高い成長力がわかります。
それにも関わらず、PERは10以下になっています。
Ticker | 社名 | 時価総額 | PER | PBR | ROE |
---|---|---|---|---|---|
SMB | サイゴンビール中部 | 1,271,467 | 5.92 | 2.15 | 37.41 |
CSV | 南部基礎化学品 | 1,493,960 | 4.08 | 1.32 | 30.27 |
DCM | ペトロベトナム・カマウ肥料 | 15,590,831 | 4.17 | 1.74 | 46.10 |
DPM | ペトロベトナム化学肥料 | 16,844,110 | 2.79 | 1.43 | 55.66 |
DPG | ダットフオン | 1,889,987 | 4.90 | 2.05 | 28.76 |
LCG | 第16リコジ建設 | 1,314,617 | 6.46 | 1.49 | 8.41 |
VCS | ビコストーン | 8,000,000 | 5.77 | 2.04 | 28.55 |
VSH | ヴィンソン・ソンヒン水力発電 | 7,559,720 | 7.04 | 1.86 | 25.39 |
SHS | サイゴンハノイ証券 | 7,643,673 | 8.50 | 0.90 | 10.18 |
ASM | サオマイグループ | 2,914,334 | 3.70 | 0.92 | 16.44 |
HAH | ハイアン運輸荷役 | 2,185,527 | 2.90 | 1.30 | 31.00 |
LHG | ロンハウ工業団地 | 1,070,257 | 5.46 | 0.84 | 13.32 |
2022年度のチャート
年初来から12月10日までのチャートとなります。
大幅下落となっています。
これほどの優良企業たちが-50%~-60%というのが驚きですね。
企業の紹介
サイゴンビール中部(SMB)
同社はSABECOのメンバーで、主にビール、ワイン、アルコール、ソフトドリンクの生産と取引を行っています。
生産能力は、Quy Nhon工場で年間5600万リットル、Phu Yen工場で2800万リットル、Dak Lak工場で1億リットルに達しています。
消費地はダクラク、ビンディン、クイニョンです。
サイゴンビールは中部・北部でも販売を伸ばしています。
高配当銘柄でもあります。8%強
EPSは毎年伸びており、配当金も3500VNDくらいが出ています。
現在の水準ですと、8%強の配当利回りになります。
今期の業績は良いので、増配も期待できるところです。
南部基礎化学品(CSV)
同社は、食品、医薬品、生活用水処理、下水処理、製紙、石油などの産業分野の需要に応じた化学品の生産と取引を主な事業としています。
現在、ベトナムの大手基礎化学品メーカーの一つであり、中部・高地から南西部、ホーチミン市まで幅広い販売網を有しています。
規模は小さいながらも、堅実な成長を遂げている会社です。
現在のPERは4近辺ですので、かなり割安感があります。
今期の業績はかなり良いですが、来期も継続していけるかがポイントとなります。
ペトロベトナム・カマウ肥料(DCM)
同社の主要製品は尿素肥料です。
肥料は、カンボジアを中心としたアジア市場へ輸出されています。
年産80万トンの肥料工場と年産2000万トンの包装工場および年産3万トンの尿素フミン酸肥料工場を所有しています。
ペトロベトナム系の肥料会社です。
尿素系肥料の価格に業績が連動します。
今期の業績がズバ抜けており、来期は減収減益予想です。
とはいえ、かなりの割安感を持っています。
ペトロベトナム化学肥料(DPM)
同社の主な事業は、窒素肥料(生産能力80万トン/年)の製造・販売です。
さらに、液体アンモニア(酸の容量96千トン/年)と残留電力(フーミー肥料工場の生産技術は、電力製品の作成を可能にし、工場自体がEVNに販売される商用電力を生成するための十分な要件を提供するだけでなく)取引も行っている。
フーミー肥料の生産量は、国内の肥料需要の約40%を満たしています。
ペトロベトナム系の肥料会社です。
今期肥料価格高騰により、業績が急伸しました。
現在利回り10%超える高配当銘柄です。
DCMと並んで業績急成長しています。こちらも来期減収減益予想ですが、割安感はかなりあります。
今期の配当は5,000VNDを出しており、この水準が維持できれば、10%超えの配当利回りとなります。
ダットフオン(DPG)
同社は、輸送工事と水力発電工事への投資と建設を中核事業としています。
このほか、商用電力の販売や建設用資材の取引・リースも行っています。
アンギア橋、トゥーティエム橋、ドーレン鉄道、ベントゥイ2号橋、クアダイ橋、ソンブン6水力発電所など、数多くの大規模工事を建設しています。
現在、Son Tra 1水力発電所への投資を行っています。
建設業界への逆風をもろに喰らった形ですね。
社債残は気にしながらも、公共投資の恩恵で業績は良くなると思います。
2018年よりEPSはゆっくりながら上昇してきており、配当も安定して1,000VNDを出してます。
大幅下落している銘柄ですので、リバウンドに期待したいです。
第16リコジ建設(LCG)
主な事業分野は、建設活動です。特に工業団地、水力発電プロジェクト、送電線などの建設に長い経験を持つ企業であり、欧米から輸入した最新技術のローラーコンパウンドコンクリート(RCC)作業場を所有していることが強みです。
また、同社はドンナイ省Nhon Trach地区に約300ヘクタールの土地を所有しており、ドンナイ省の経済開発計画や南部地域の重要な地域となっています。
同社は、ヴィンタン4火力発電所、タックハンクアンチ橋、ホスピタルIIラムドン、バンチャット-ライチャウ水力発電所など、大小のプロジェクトを建設してきています。
自己資本比率が減少しておりますが、危機は乗り切ったとのこと
こちらも公共事業に期待の銘柄です。
EPSの安定度がバラバラとしていますね。
ビコストーン(VCS)
同社の主な事業は、石英製の人工石材の生産と取引です。
VICOSTONEの石英製品は、5大陸の40カ国に輸出されています。
VICOSTONEは、他の主要な人工石ブランドと比較して、量とデザインモデルのユニークさの点で非常に競争力があります。
輸出競争の激化との報道がありますが、まだ強いと思われます。
高配当銘柄10%以上が期待できます。
業績が安定しており、現在の水準ですと、配当利回りが10%を超える銘柄です。
配当額は安定していませんが、毎年配当を出している点は株主還元に意識を入れている証拠かと思います。
ヴィンソン・ソンヒン水力発電(VSH)
発電・貿易、水力発電所の運転・保守、水力発電所に関するコンサルティング・プロジェクト管理・建設監視サービスの提供を主な業務としています。
ヴィンソン水力発電所、ソンヒン水力発電所、トゥオンコンタム水力発電所を管理・運営し、合計356MWの設備能力を有しています。
2022年の逆風の中で、年初来プラスを維持
こういった銘柄はポートフォリオに入れておきたいところ
水力発電所の拡大とともに業績が急拡大しています。電力需要が高くなっており、今後も安定した業績が期待できます。
サイゴンハノイ証券(SHS)
同社は、証券会社、自己勘定取引、投資コンサルタント、企業財務コンサルタント、引受、証券預託を主な事業としています。
正直、証券会社はホントにわからないですね。。。
買うのだったら、ここか、SSIかって感じです
今期は業績落としていますが、過去強かった点からも巻き返しに期待したいです。
サオマイグループ(ASM)
同社は、水産物の輸出、不動産や副産物の投資・取引、観光サービスの提供を事業内容としています。水産物では、日産600トンの水産加工工場、年産378,000トンの養殖飼料加工工場、日産200トンの魚油精製工場などを所有しています。このほか、不動産・子会社を通じて旅行・リゾートサービスの提供や太陽光発電システムの組み立てを行っています。
アンザン省を拠点に幅広く業務を展開
大化けする可能性もありますね。
業績は安定してきておりますが、今期予定していた有償増資が延期になって、どのようなインパクトがあるか確認していく必要があります。
ハイアン運輸荷役(HAH)
HAHは、輸送と港湾運営の分野で事業を展開しています。
ハイアン港は、カム川の下流に位置し、喫水が深く、進入路が広く、水位が深いため、2万重量トンまでの大型船舶の受け入れに有利であることから、競争力があると評価されている。
物流・海運とも少し風向きは良くない印象ですが、好調が維持できるかどうか
業績急拡大ですが、PERはついていかず現在2.9です。過去PER12超えをしていたことを考えると、こちらも期待がかかります。
ロンハウ工業団地(LHG)
同社はロンアン省産業インフラと公益事業の投資、開発、貿易を主な事業としています。
2006年からロンハウ工業団地の開発を行い、2007年後半から顧客へのサービス提供を開始しています。
決算未提出でペナルティを喰らっていますが、問題は解決されつつあるそうです。
この水準は相当安いと思いますが、どうでしょ、、、
工業団地運営ということもあり、安定した収益を誇っています。
配当も安定して、2,000VNDを出しており、現在の水準ですと、10%程度が狙えます。
まとめ
今回は、2022年の下落相場で割安になった優良銘柄を紹介しました。
2023年のベトナム経済は引き続き強いと思いますが、世界経済がロシア・ウクライナ戦争が続き、資源高・ドル高に向かう中で、ベトナム企業もすべての業界が伸びていくとは考えずらい状況になっています。
来期の業績予想に目を向けながら、少しずつ優良銘柄を買い増していくのが良いと思います
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