今回は窒素系肥料で国内シェアトップを誇るペトロベトナム化学肥料【DPM】をご紹介します。
ベトナム市場の約40%のシェアを誇る肥料会社で、ベトナム国内に多数の物流拠点を持ちハノイ・ホーチミン市などを中心に全国に供給できる流通網をもっています。
会社概要
概要
ペトロベトナム化学肥料(PetroVietnam Fertilizer and Chemicals Company(DPM)は、2003年に設立されました。
同社は、フーミー工業団地1 – ブンタウ州バリアにフーミー肥料工場を持っています。
この工場は総投資額3億7000万ドル、敷地面積63ヘクタールで、アンモニア製造にはHaldor Topsoe社(デンマーク)の技術(能力1,350トン/日)、尿素製造にはSnamprogetti社(イタリア)の技術(能力2,200トン/日)を使用しています。
主な事業は、窒素肥料(生産能力80万トン/年)の製造です。
さらに、同社は液体アンモニア(酸の96千トン/年の容量を持つ)と残留電力(フーミー肥料工場の生産技術は、工場自体がEVNに販売される商用電力を生成するために十分な要件を提供するだけでなく、電気製品を作成することができます)取引しています。
フーミー肥料の生産量は、国内の肥料需要の約40%を満たしています。
DPMは、2007年よりホーチミン証券取引所(HOSE)で上場されています。

国内トップブランドの窒素系肥料メーカーです。

窒素系の肥料は農作物の生産にとって、非常に大事なものです
親会社のペトロベトナムは、段階的に持ち株の比率を減らしていくことを明言しています。
事業戦略・マーケット

売上構成比率は、肥料90%、化学製品9.3%、電力売0.7%となっています。
国内最大のライバル企業で、粒状窒素肥料を製造するペトロベトナム・カマウ肥料(DCM)とは違い、同社は比較的品質が低いと言われるプリる窒素肥料を製造しています。
NPK(窒素・リン・カリウム)肥料工場は2018年に完成し、稼働率は現在のところ、100%となっています。今後化学製品の比率をひろげていく戦略です。
公式ホームページ
ペトロベトナム化学肥料の財務分析
2022.5月更新

データはSSI証券から取得しています♪
収益
2021年の売上は128,817億ドン、経常利益は37,995億ドンとなりました。(利益率 29.5%)
2022年の売上は110,590億ドン、経常利益は45,000億ドンの計画です。(利益率 40.7%)
前期と比較して、売上:-14.1% 経常利益:18.4%の成長率です。


今期計画はかなり控えめな数値だと思います。
資産価値
1株当たり純資産は、前期35,559ドンでした。
非常に財務的には安定しています。

収益性・成長性
1株当たり純利益は、前期6,795ドン
今期は、8,048ドンになる計画です。(上昇率:18.4%)

キャッシュフロー
営業CFが潤沢にあり、投資にも資金が回っていることが見て取れます。
問題ないと思います。

配当利回り
配当は下記のようになっています。安定して1000ドン近辺で推移しています。

チャート
現在の株価は下記のようになっています。(FinAnt提供)
今後の見通し
国内肥料価格が上昇していくなかで、22年Q1の決算が非常に強い上振れをしました。
世界的肥料の需要増
ユアンタベトナム証券会社によると、過去の肥料産業の成長を支えているのは、世界最大の尿素とNPKの輸出国であるロシアが肥料の輸出を正式に停止したときの世界的な肥料供給からの圧力です。
一方、ロシアとウクライナも世界の小麦総輸出量の30%近くを占めています。したがって、現時点では食料生産の需要が非常に必要であり、それによって肥料の需要が高まっています。一方、世界の肥料埋蔵量は減少傾向にあり、2022年も肥料価格を押し上げる可能性があります。
ベトナムでは、モルドールインテリジェンスによると、国内の肥料産業は2021年から2026年の期間に年間4.9%成長します。
税関総局によると、ベトナムは135万トンを輸出、454万トンが輸入されています。
ベトナムの肥料輸入源は、中国、東南アジア、ロシアからの生産量の90%以上です。
まとめ・株価予想(独断)
肥料業界の今後の世界的な需要からして、強さを見せると思います。
また、今回の下落でさらに魅力的な株価になっていますので、「買い」をしていきたいと思います。

(参考文献)SSI、VNDirect 分析レポート
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