今回は、2023年のベトナム経済や株価について、各証券会社が出している予想から考えてみました。
ベトナム株は、その経済成長にもかかわらず、企業や政府関係者の不正問題、社債問題による流動性の低下など様々な問題が発生、そして世界情勢の様々な問題も相まって、2022年株価は大きく下落してしまいました。
2023年はベトナムが投資家から信頼されるかどうか、非常に大事な年になってくると思います。
ベトナム経済の力強い成長は2023年に向けて減速する
2023年、ベトナム経済を取り巻く環境は非常に厳しい状態であり、下記の点に注意が必要です。
- 世界需要の後退による輸出の伸び鈍化
- 利上げ圧力とドル高
- 抑制されているが、インフレ圧力
- 住宅用不動産市場の債務問題
これらのことから考慮して、VnDirect証券では、2023年のGDPは前年比6.7%成長し、2022年の7.9%よりは低いが、政府のガイダンスである 6.5% より高いと予想しています。
GDP成長率が6.5%の政府計画ですが、減速といえないほど高い数値ですね
金利と通貨への圧力は上半期は継続、下半期に大幅に緩和される
金利や通貨への圧力は2023年に入っても継続されるものと考えられます。
しかしながら、徐々に緩和されると考えられます。
その理由は下記の観点です。
- FRBの金融政策の転換
- 貿易黒字による外貨準備高の正常化
- ベトナム政府による社債市場の正常化策・信頼性強化
最悪期は過ぎたという印象です。
ベトナム政府がどのような政策を打ってくるか注目です。
米ドルは、2023 年を通じてその強さを維持すると予想されます。
2023年中にはFRBの金利引き締めが鈍化することによって、ドン高の急激な下落に終止符が打たれ、反転する可能性があります。
ベトナムの外貨準備高は、2022年為替安定のため、IMFが推奨している水準を割り込む結果となりましたが、2022年末には約890億ドル確保し現在は問題ありません。さらに2023 年末には、貿易黒字から1,020 億ドルに回復すると予想しています。外貨流動性が高まることで、ベトナム国営銀行は政策金利を今後変更せずに、余裕を得ることができます。
社債市場については、財務大臣が法整備を含めて、投資家保護策含めて、対応策を検討されています。
ただし、2023年には社債の償還を迎える企業が多く、これらの保護策が整わない場合は、ベトナム経済にとって、非常にネガティブな要素となります。
2023年上期はディフェンシブ、後期は成長志向へ
2023年初頭については、市場は依然として流動性の制約と社債のデフォルトリスクの上昇というストレスにさらされていると考えています。
2022年の下落が大きかったため、上期は底値からの上昇トレンドはあるものの、脆弱で不安定になる可能性があると考えています。
しかしながら、現在の問題点が解消され、ベトナムマクロ経済の強さもあり、2023 年下半期には反転が実現する可能性が高くなります。
したがって、上半期は守りに徹し、2023 年下半期に移行するにつれて「成長志向」に切る戦略が考えられます。
私は優良株の積立戦略です♪
いつ反転するかわかりませんので。。。
VN-Indexは、2023年下半期に1,300~1,350
企業収益
各証券会社とも、2023年の企業業績は前年比10%~15%増の予想を立てており、特に下期は強くなると予想をしています。
2022年9月期は、市場全体の収益が前年同期比21.4%増となったものの、輸出需要の低迷、マージンの圧縮、債務返済負担の増加、為替差損の増加など逆風が吹いており、2022年度の市場利益は17%増を見込んでいる。
2023年度は、上期は前年比5%増の小幅な伸びにとどまる見込みであるが、下期は大幅に改善し、通期では14%の成長を見込んでいます。
VNDIRECT証券より
株価の推移予想
標準的なシナリオではPER12~12.5・前年比利益成長率14%に基づいて、VN-Indexは2023年下半期に 1,300 ~ 1,350 レベルになると予想しています。
大きくダウンした翌年は、上昇トレンドに乗るという記事です。
まとめ
今回は、ベトナム経済・株価の2023年について考えてみました。
2022年はいろんな不正問題や、世界情勢にベトナム経済も翻弄されてしまった部分が多いと思います。
そういった意味でも2023年は注目の年であり、ベトナム政府や企業経営陣がどのような手綱さばきをしていくかしっかり見ていきたいと思います。
参考文献:VNDirect証券、SSI証券、Yuanta証券 WEBページより
コメント