ホーチミン地下鉄1号線2024年開通へ:計画の遅延、課題、展望

ベトナム旅行・生活

今回はホーチミン市の地下鉄計画について続報をご紹介します。

ベトナムの経済の中心であるホーチミン市は、急速な都市化により交通渋滞や公共交通の需要が増しています。この課題を解決するため、市は地下鉄プロジェクトの計画を推進しています。

元々もの計画では、2020年までに8路線を完備するという計画でしたが、大きく計画は崩れ、2023年時点で1本も開通しておりません。

期待されている1号線は様々な問題が重なり、2023年の開通は難しく、2024年に延びるという報道がされました。

日本からのODAや技術的なサポート、人材育成、そして政府レベルの支援など、実現に向けた努力が続けられています。

今回は、ホーチミン市の地下鉄計画の背景と現状、実現可能性の観点、挑戦と克服の取り組みについてご紹介します。

<元々のホーチミン地下鉄計画については、こちら!>

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ホーチミン市の地下鉄遅延の背景

ホーチミン市の地下鉄計画は、2013年に首相が発行した首相決定第 568/QD-TTgによってスタートしました。

この計画では、2020年までに地下鉄8路線の建設を目標とし、市内の都市鉄道ネットワークを拡充することが計画されました。

2023現在、ホーチミン市の地下鉄計画は順調に進んでいるとは言い難い状況です。

  • そもそもの計画が様々な理由で遅延している。
  • 想定以上の都市化が急速に進み、現状の計画を見直す必要がでてきている。

地下鉄1号線は10年以上も目的地に到着しておらず、2号線は3回以上も延長申請を行っています。

その他の路線はまだ着工すらできていない状態です。

現在は、1号線を2024年、2号線の完成を2030年に目標を設定し、開発を進めています。

また、2008年から始まった計画は、急速な都市化のプロセスとともに進行してきたため、都市の街並みや人口が大きく変化しました。

また、都市の急速な成長に対して、現在の計画では不十分な路線網が計画されており、交通需要を満たすには拡充が必要という議論がでています。

レタントン
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非常に時間がかかっていますね!

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地下鉄建設計画の現状と課題

ホーチミン市の地下鉄建設遅延について、以下のようなことが課題としてあがっています。

  1. 予算不足と資金調達の困難:ベトナム政府は膨大な資金を必要とする地下鉄建設プロジェクトを支えるため、国際的な融資を求めてきました。しかし、その資金調達は常に困難で、特に日本のJICAからの融資に関する交渉は長期間に及びました。
  2. 設計変更と技術的課題:最初の計画から、特に3b号線と3a号線の接続など、いくつかの路線の設計が変更され、これが建設の遅れを招きました。
  3. 土地取得の問題:特に決議98の影響で、地下鉄駅周辺の土地を回収する必要がありました。これは、地元住民との交渉、補償、そして様々な法律上の問題を引き起こしました。
  4. 行政手続きの遅れ:政府の公式な許可や必要な文書の発行が遅れたことも、建設の遅れの一因です。例えば、ベトナム政府の正式な承認を得るためには数年を要し、これがプロジェクトの遅れを招きました。

実現可能性の観点では、ホーチミン市の地下鉄計画は日本からのODAなど複数の資金源によって支援されています。技術的な問題については、日本のサポートにより克服に向けた努力が進んでいます。

人材育成に関しても、日本との協力による専門的なトレーニングが行われており、必要な人材の育成が進められています。ただし、政府レベルの支援が十分でないため、資金調達や計画の推進には課題が残っています。

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Vision2045による新計画

ベトナム鉄道輸送の発展に関する政治局の結論49に従って、ホーチミン市は2045年までのビジョンを掲げ、2035年までに都市鉄道網の完成を目指しています。

既存の計画の調整と拡張は、ネットワークの効率性を向上させ、より広範囲な地域をカバーすることを可能にします。この拡張は、ホーチミン近郊の都市ドンナイ、ビンズオン、ロンアンへと範囲を広げる可能性があり、これにより都市の結びつきが強まることが期待されています。

その中で以下の項目が具体的な予定となっています。

  1. 既存ルートの調整:初期の計画では、いくつかのルート(例えば、5 号線や6 号線)が短すぎ、運用の効果が限定的であったため、これらの路線の再評価と調整が必要とされています。これにより、これらの路線を利用する人々が鉄道による移動をより便利に感じることが期待されます。
  2. 新規ルートの追加:ホーチミン市の都市部では、一部地域の鉄道密度が低いため、新規ルートが追加される予定です。特にタンフー地区、ビンタン地区、トゥドゥック市などの地域で新たな地下鉄ルートの開設が計画されています。新たな路線を追加し、800m~1km(徒歩約10分)の距離を移動する人々が確実に地下鉄駅に到達できるようにする計画が進められています。
  3. 地下鉄網の拡張:15年間の都市化の進行により、都市間の境界がなくなりつつあります。そのため、地下鉄はホーチミン市から周辺都市(ドンナイ、ビンズオン、ロンアンなど)へと拡張される予定です。
  4. 地下鉄と空港の接続:運輸省は、タンソンニャット空港のターミナルT1、T2、T3を結ぶ新しい地下鉄路線の建設を発表しました。これにより、空港と市内中心部との接続が大幅に改善される予定です。
  5. 都市鉄道網の完成:2030年までのベトナム鉄道輸送の発展方向に関する政治局の結論49によれば、ホーチミン市は2045年までのビジョンを掲げ、2035年までに都市鉄道網を完成させることが求められています。
レタントン
レタントン

新空港の建設も進めらていますが、電車が走る計画がなく、どうなることかとおもっていましたが、延長する可能性もでてきています。

今後の方向性

ホーチミン市の地下鉄プロジェクトは数々の困難に直面してきました。

日本との協力や市の努力により進展していますが、まだ実現のめどが立っていない状態です。

しかし、これらの挑戦は都市の成長と進化の一部であり、必ずしもネガティブな結果をもたらすものではないと考えられています。むしろ、これらの困難を乗り越えることで、ホーチミン市はさらに成熟し、都市の持続可能な成長を実現するための重要な教訓を学んできました。

計画の調整、新たなルートの開発、地下鉄網の拡張、そして都市と空港を結ぶ新たな交通インフラの構築など、これら全ての試みは市の持続可能な発展と生活の質の向上を目指しています。

これらの計画は確かに困難を伴うかもしれませんが、それは全て明るい未来への一歩と言えます。

さらに、政府の強力な支持と、国内外の多くのパートナーとの協力により、これらのプロジェクトは成功に向けて前進しています。国際的な最先端の技術と専門知識の活用により、ホーチミン市は効率的で安全な公共交通システムの実現に向けて進んでいます。

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コメント

  1. チャン・フン・ダオ より:

    まず、ホーチミンの地下鉄について、1号線も2号線も駅と駅の間隔が短か過ぎて、3km未満の駅間が多すぎる。こんなに駅を作る必要性がありますか? そこを考えてほしい。1号線が完成したら、次に着工するのはメトロ2号線です。この路線はタンソンニャット空港の西側に隣接する形で駅(Ba Queo:婆跳)を設置します。便利になります。

    2号線の全長11.3KM。うち9.3kmが地下区間。
    高架駅が1カ所(Tan Binh)、地下駅9カ所

    地下鉄の駅は、ただではない。工事金額が高いです。駅1カ所の総工費は50億円以上はします。全長約11kmで駅を10カ所も作るなんて、作り過ぎです。駅と駅の間隔を2km以上は取るべきです。ベトナムのMAURやホーチミン市の役人は、「円借款」という部分を軽く考えていませんか?日本人がお金を貸してくれるから・・・という部分を軽く考えてませんか?

    2号線を見て、考えた時、特に必要のない地下駅が4から5カ所あります。それでもベトナム人は無理して駅を作ろうとするから、予算が膨れ上がる。MAURとホーチミン市の役人は、もう一度計画段階から練り直すべきです。 特にNguen Hong Dao駅(阮紅桃)、Pham Van Hai駅(范文台)、Dan Chu駅。これら3つの駅は要りません。作り過ぎです。

    デポの近く、Tan Binh(新平)とPham Van Bachの駅間が短すぎる。これもまた駅の作り過ぎ。 どちらかの駅が不要です。タンソンニャット空港の最寄り駅はBa Queo(婆跳)になります。

    Ben Thanh,Tao Dan(3号線と接続)、Bay Hien(5号線と接続)、Ba Queo(婆跳:空港最寄り駅)は必要です。

    金を貸す日本政府もそうだし、ホーチミン市の役人とMAURは真剣に2号線の計画を練り直してほしい。

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