今回はホーチミンメトロの全8路線の計画について書いていきたいと思います。
ホーチミン市は慢性的な交通渋滞が都市の成長の課題となっており、これを解決するために地下鉄や都市鉄道の整備が進められています。記事は、各路線の計画、ルート、完成予定時期などについて詳細に説明しています。
2008年に着工したものの、なかなか工事がスタートできず、実質のスタートは2012年になってからです。それから、1号線は2022年の開業予定で進められていましたが、コロナによる遅延と、支払いの遅延により、2024年に開業するという計画に変更されています。
今回は、ホーチミンメトロの完成予想図から未来のホーチミンを想像していきたいと思います。
地図はVietnamBizさんの記事からコピーさせていただいています。
不動産投資する方にも参考になると思います!
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ホーチミンメトロ全体図
ベトナム最大の都市であるホーチミン市は、人口の急激な増加及び急激な経済発展に伴い、市民の足であったバイクや自動車による大気汚染と交通渋滞が社会問題化しています。
その解決策として、鉄道を軸とした新たな交通手段の切り札として都市鉄道建設がスタートしました。
都市鉄道管理局(MAUR)は、都市鉄道プロジェクトの実施機関として機能するホーチミン市人民委員会の2007年9月13日付の決定No.119 / 2007 /QĐ-UBNDに従って設立され、その全体像実現に向けて進めています。
ホーチミンメトロの鉄道網は全長172.6kmの8つの路線があります。
- 1号線
- 2号線
- 3A号線
- 3B号線
- 4号線
- 4B号線
- 5号線
- 6号線
ベンタン中央駅 BenThanh Station
4つの地下鉄路線(1号線、2号線、3a号線、4号線)の起点となり、大きな乗り継ぎ駅となるのが、ベンタン中央駅です。こちらも日本のODAが工事しており、地下にはショッピングセンターが建設予定されています。
45.000 m2の敷地面積で、推定投資コスト:6兆8,650億ドンです。
ベンタン駅とオペラハウス駅の間に地下街が建設されます。
500メートルの長さのショッピングエリアは、レロイ通りの下に建設されます。
さらにその前面には、One Central Projectが進んでいます。
48階と55階の2つのタワーは、地下鉄ベンタン中央駅の歩行者エリアに面しており、駅の中心的なエリアのランドマークとなるために設計されています。
大きく変貌するホーチミンを代表するエリアになりそうですね。
ベンタイン中央駅の建設が進んでいます!
1号線
メトロ 1号線は、Ben Thanh(ベンタイン)ーSuoi Tien (スイティエン)で、長さは約19.7 kmです。
総投資額は43兆7,570億ドンで、日本のJICAとホーチミン市が後援しています。
2008年に起工式がありましたが、2012年まで着工しませんでした。その時点で、2017年までに路線が完成すると推定されていました。ほとんどの新しいメトロシステムと同様に、最初の路線は常に遅れて予算を超えているため、これはおそらく予想されていました。
2017年着工後、2022年の完成を目標に建設が続いておりますが、コロナの影響により、さらに1年長引くことが報道されています。
ルートは、1区中心から、Vinhomes Central Parkなど住民の多いビンタイン区、外国人が多く住むタオディエン(トゥドゥック)を通過し、ハイテクパークなどの旧9区を通過します。
また、ビエンホア市(ドンナイ県)とビンズオン県まで延長することも検討されています。
日本企業連合が開発ということで期待が高まります。良いものを作ってほしいですね。
1区・ビンタイン区で建設が進んでいます
たくさんの住民が住んでいるVinhomes Central Park
スイティエン公園まで電車でつながる予定です。
新ミエンドンバスターミナル(東部)まで延長されます。
2号線
メトロ2号線は、 Thu Thiem(トゥーティエム) – Ben Thanh(ベンタイン) ーTHAM LUON(タムルオン)ーCu Chi(クチ)で、長さは約48 kmです。完成予定は2026年です。
3つのフェーズに分かれおり、投資額は47兆7,890億ドンです。
フェーズ1は、 Ben Thanh(ベンタイン) ーTHAM LUON(タムルオン) で、1区、3区、10区、タンビン区、タンフーの地区を通過します。全長は約11.3 km(地下9.3 km、地上2 km)です。
フェーズ2とフェーズ3は、2021年現在、まだ承認されておらず、ルート全体の事前実現可能性調査レポートの作成を最終決定しているところです。
新天地Thu Thiemへの延伸が出来れば、ホーチミン市の中心エリアは一気に景色が変わってくると思います。
トゥーティム地域(Thu Thiem)
現在、建設が進むホーチミン市の新都市Thu Thiemエリアです。1区を中心とした市街地は古い街並みも残り、成長余地が小さいですが、このエリアは広大な土地が残されており、現在、整備計画に基づいて、建設を進めていっています。
10区エリア
現在、非常に交通量が激しい場所です。地下鉄が通ることによって、人の流れが変わることが期待できます。
Vittel Trade Center
3A号線
メトロ3A号線は、BenThanh(ベンタン)-Tan Kien(タンキエン)で、全長は約19.8kmです。
メトロ3A号線は、ベンタン駅でメトロ1号線、2号線、4号線に接続します。
ルートは2つのフェーズに分かれており、総投資額は68,000億ドンです。
フェーズ1は、 BenThanh(ベンタン) ー Mien Tay(ミエンタイ)です。全長は約10km(地下8.3 km、地上7km)にあります。ミエンタイは、西部向けのバスターミナルとなっています。
フェーズ2は、MienTay(ミエンタイ)ーTan Kien(タンキエン)です。全長は9.8kmで地上にあります。
さらに、このプロジェクトは国道1号線沿いのロンアン州タンアン市に拡張することが提案されており、2030年以降に建設される予定です。
ホーチミンの西部へのアクセス改善につながります。
5区、8区など人口多いエリアをカバーします。
5区中華街
現在、中華街としてしられる5区のエリアも再開発が進められています。
District 5 Cultural Centerは、その1つとして知られています。
8区
Phuc Khang Corporation と三菱商事が建設したダイヤモンドロータス リバーサイドも、この地域のランドマークとして存在感があります。
ミエンタイバスステーション
最終到着地はバスステーションとなります。ここから西部の都市との接続ができます。
Tien Giang、Ben Tre、Vinh Long、Soc Trang、Can Tho、Ca Mau、Bac Lieuなどのメコンデルタエリアへのアクセスができます。
3B号線
メトロ3B号線は、CON HOA(コンホア交差点)-Hiep Binh Phuonc(ヒエプビンフォック)からのルートで、長さは約12.1km(地下9 km、地上3.1km)です。
全線の駅数は、地下鉄8駅と高架駅2駅を含む10駅です。
完成予定は未定となっています。
Binh Quoi Thanh Da
この北エリアには、タンダと呼ばれる特徴的なエリアがあります。こちらも現在手付かずのエリアですが、下記のような再開発が予定されています。
4号線
メトロ4号線は、 Thanh Xuan(タンスアン)ーBen Thanh(ベンタイン)ーNha Be(ニャーベー)からのルートで、長さは約36.2km(地上19.9 kmが、地下16.3km)になります。
メトロ4号線は、8つの路線の中で2番目に長いです。このルートは、南北軸に沿ったベンタン地域を通って、市内で最も人口密度の高い地域に沿って放射状に乗客を輸送します。
人口密度の高い4区、7区の巨大エリアフーミンフンをつなぐこのラインがつながることで、人の流れは大きく変わってくると思われます。
完成予定は未定となっています。
ホーチミン市の南北をつなぐ路線です。
人口の多い7区、Nha Beエリアが通勤エリアになっていきますね。
4区
サイゴン川沿いに都市開発を進め、またテゥーティムエリアにも新たな橋がかけられることによって、アクセスは抜群によくなるとされています。また、1区ー4区ー7区にわたる幹線道路が作られ、街の中心にふさわしいエリアとして変わろうとしています。
7区
フーミンフン(phu minh phung)と呼ばれるエリアは、人口約50万人が住む大きなエリアです。
韓国人街、台湾人街と呼ばれるように外国人居住者が多いのも特徴です。
5号線
メトロ5号線は、Can Giuoc ーTung Thien Vuong ー Phu Dong Thien Vuong ー Ly Thuong Kiet - Hoang Van Thu-Phan Dang Luu ー Bach Dang-Dien Bien Phu ー Saigon Brigdeのルートで、長さは約26kmです。
プロジェクトは、2つの実装フェーズに分かれています。
フェーズ1は、Gai Gon BridgeーBay Hien Crossroadsのルートで、長さは約8.9 km(地下7.46 km、地上1.43 km)です。
フェーズ2は、ベイヒエン交差点-ニューカンジュオックバスステーションのルートで、長さは約14.5 km(地下7.46 km、地上6.43km)です。
メトロ5号線は、メトロ1号線およびメトロ2号線に接続して、交通密度が最も高いルートで旅客輸送システムを形成します。タンソンニャット空港にも接続します。
完成予定は未定となっています。
5号線でタンソニャット空港と接続です。
新空港が出来るよりも、早くできるかどうかが気になるところです。
タンソニャット国際空港
新空港建設が2025年に進められていますが、こちらの地下鉄接続も進めています。
Binh Chanh区
Binh Chanh区への接続も、このエリアの開発に大きく貢献すると思われます。
6号線
メトロ6号線は、Baqeo(バケオ)からVong Xoay Phu lamまでルートで、長さ約5.6kmのルートを持っています。
このルートには合計7つの地下鉄駅があり、Ba Queo駅をメトロ2号線とつながります。
メトロ6号線は、2号線と3A号線を接続し、西部からの乗客と、北西部の乗客を、タンソンニャット空港に乗客を輸送します。
完成予定は未定となっています。
まとめ
今回は、ホーチミンメトロの全8路線の概要について見てきました。
ホーチミン市の地下鉄は、全8路線で構成され、全長172.6kmにわたる大規模なプロジェクトです。
このプロジェクトは、市内の慢性的な交通渋滞を解消し、新たな交通インフラを形成することを目的としています。1号線は2023年に開業予定で、他の路線も順次建設が進められています
まだまだ1つも出来ていませんし、長い長いプロジェクトになりますので、完成を楽しみにしながら、見守っていきたいと思います。
まずは1号線完成を楽しみにしています。
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