ホーチミン市の新しい顔となるロンタイン国際空港（Long Thanh International Airport）の建設が決まりました。現在のところ、２０２６年の開業を目指して、建設が進められています。
現在のタンソニャット空港がキャパオーバーを起こしており、将来に向けた大きなプロジェクトを進めています。この注目の新空港プロジェクトは、ベトナム経済の成長と共に、国際的な交通のハブとしての役割を果たすことが期待されています。
オープンに向けての計画、設計、建設の進捗、そして完成後の影響について、まとめたいと思います。
ロンタイン国際空港に対する期待は大きいのですが、
果たして計画通りに完成するかどうかが疑問の部分もあります。
ロンタイン国際空港とは
ロンタイン国際空港（Long Thanh International Airport）は、ベトナムのドンナイ省に建設中の新しい国際空港で、現行のホーチミン市のタンソンニャット国際空港のオーバーフローを解消し、ベトナムの増大する航空需要に対応することを目指しています。
ロンタイン国際空港は、ベトナム南部のドンナイ省ロンタイン区に位置しており、ホーチミン市中心部からは東に約40kmの地点にあります。
【ロンタイン新国際空港建設場所】
このプロジェクトの実現により、ベトナムにとって以下のような重要な利点がもたらされます。
- 強化された連絡網: 最先端の施設を備えたロンタイン国際空港は、ベトナムをアジアやその他の主要市場と結ぶ主要な交通ハブになる見込みです。
- 経済成長: 空港の建設と運営は、雇用機会を創出し、地域のビジネスを活性化させ、地域全体の経済成長に貢献します。
- 観光振興: ホーチミン市およびベトナム全体へのゲートウェイとして、ロンタイン国際空港は、より多くの国際観光客を引き付けることで、観光産業の成長を促進します。
この新空港は、ベトナムの未来を象徴し、国際舞台での国の地位を高める大いなる可能性を秘めています。
空港のデザインはどのようなものですか？
ロンタイン国際空港の設計は、フランスの建築設計事務所ADPiによって行われています。
そのデザインは、モダンで洗練された外観とベトナムの自然と文化を反映した要素を巧みに融合しています。
空港の形状は、ベトナムの国花であるロータスの花をモチーフにしており、ターミナル内には、ベトナムの伝統的な建築素材であるバンブーや木材を多用しています。
建設スケジュールはどうなっていますか？
ロンタイン国際空港の建設は3段階に分けて進行しています。
第1段階：2021年に着工し、2025年に完成予定。1本の滑走路と1つのターミナルが建設され、年間2500万人の旅客を処理できる能力を持つようになる予定です。
第2段階：第1段階が達成され、需要が増加すると、追加のターミナルと滑走路が建設され、年間5000万人の旅客を処理できるようになります。
第3段階：最終段階では、さらに1本の滑走路が追加され、総旅客処理能力は1億人以上に上昇します。
ただし、COVID-19パンデミックの影響や資金調達の問題などが進行を遅らせており、これらの問題が完全に解決されなければ、計画されているスケジュールが遅れる可能性もあります。
計画が現実的でないように感じられます。
当初から２０２５年には到底間に合いそうもない感じでした。
現在の課題は何ですか？
ロンタイン国際空港の建設には、いくつかの課題が存在します。
- COVID-19パンデミックによる経済的影響：パンデミックにより、ベトナム国内外の経済が深刻な打撃を受け、資金調達や建設の進行に影響を及ぼしています。
- 資金調達の問題：計画の初期段階から、資金調達は常に大きな課題であり続けています。政府はさまざまなソースからの資金を模索しています。
- 地元の土地取得と移転：プロジェクトの規模と性質上、多数の家庭や企業が移転する必要があります。これは複雑な過程であり、計画の進行に時間を取られています。
- 規制と手続き：ベトナムの法律と規制は、大規模なインフラプロジェクトの実施を複雑にしています。これらの規制を満たし、必要な許可を取得するには、大量の文書作成と長い時間が必要です。
このため、2025年の開業はすでに難しいとされ、現在は2026年の開業に向けて工事が進められています
空港が完成した際のベトナム経済への影響は？
ロンタイン国際空港の完成は、ベトナム経済にとって大きなメリットをもたらすでしょう。
旅行者の増加により観光産業はさらなる発展を遂げ、新たな雇用を生み出すことで地元経済を活性化します。また、新空港は海外からの直接の投資を引き付けるポテンシャルを持っています。
これにより、ベトナムのインフラ改善、製造業の発展、外国からの更なる投資の流入を促進することができます。
恩恵を受ける業界・銘柄は？
新空港建設によって、特に以下の企業や業界が恩恵を受けると見られます。
- 航空業界: 新しい空港は国際的な航空ハブとして機能するため、航空会社は新たな路線展開のチャンスを得ることができます。地域間の連携強化も見込まれるため、既存航空会社の成長や新航空会社の参入も期待されます。関連銘柄：ベトナム航空（HVN)、ベトジェットエア（VJC）、サイゴングランドサービス（SGN)
- 観光業: 新空港の開業により、観光客の増加が見込まれます。ホテル、レストラン、観光施設など、観光関連産業全体が活性化すると予測されています。
- 建設業: 空港自体の建設だけでなく、周辺のインフラ整備も進展するため、建設業界にとっては大きなビジネスチャンスとなります。関連銘柄：第１建設（CC1）、ビナコネックス(VCG)、ハノイ建設（HAN)、シエンコ４(C4G)、フックフン建設（PHC）
- 輸送・物流業界: 新空港は物流の効率化に寄与します。物流企業は新たな拠点として活用できるため、国際的な取引の拡大が見込まれます。関連銘柄：ベトナム航空社（ACV)、タンカンロジスティック（TCL)、ソナデジグループ（SZCなど）
- 不動産業: 空港周辺の開発が進めば、オフィスビル、商業施設、住宅などの需要が高まります。これにより不動産業も活況を呈する可能性があります。関連銘柄：ビンホームズ（VHM)、ナムロン（NLG)、ノバランド（NVL)
ロンタイン国際空港は大きなチャンスになる一方で、開業の遅れなどがリスクにもなり得るため、注意が必要です。
まとめ
新しく開発されるロンタイン国際空港は、ホーチミン市からわずか40kmの地点に位置し、ベトナム経済の新たな成長の拠点となることが期待されています。
しかし、工事の遅延が発生しており、開業が相当遅れる見通しとなっています。加えて、空港へのアクセス手段としての地下鉄や鉄道路線が未整備で、解決すべき問題も多く残されています。
この新空港の開発は、国際的な観光業の促進、地域経済の活性化、交通の効率化など、ベトナムに多岐にわたるメリットをもたらすとされていますが、工事の遅れとアクセスの課題により、これらのメリットの実現が遅れる可能性もあります。
また、アクセスの悪化は、旅行者やビジネスパーソンにとっての不便となるだけでなく、空港の機能発揮にも影響を及ぼす可能性があるため、早急な対応が求められています。
新空港の建設が完了すれば、ベトナムはASEAN地域における主要な交通ハブへと変貌を遂げる可能性が高く、世界中からの投資と観光客の増加が期待されます。
今後の進展に注目が集まる中、ベトナム政府と関連機関の努力が、プロジェクトの成功に向けた鍵となりそうです。
ベトナム南部エリアは、ホーチミンが経済の中心である現状ですが、この新空港の建設により、より広範な経済エリアが形成されるきっかけとなるでしょう。
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