今回は、ビンホームズ – Vinhomes (VHM:HOSE)という会社についてご紹介したいと思います。
ベトナム最大の住宅開発・管理業者で、ベトナムの不動産業のトップ企業として先頭を走ってきました。今回は、この会社の今後の戦略と成長戦略について考えていきたいと思います!
会社概要
ビンホームズ(VHM)は、住宅開発最大手でビングループ【VIC】(Vingroup)の子会社となります。
ビンホームズは、中高級住宅ブランド「ビンホームズ(Vinhomes)」を中心に住宅、オフィス、関連アイテムの投資、開発、取引を主な事業としています。
2020年末までに VHMは、2万7,000戸以上のアパート、ヴィラ、商業用タウンハウスの契約と手付金の受領、および5万3,000戸のアパート、ヴィラ、商業用タウンハウスの引き渡しを行っており、現在、全国7つの市・省の27の都市部を管理しています。
売上高構成比の93%が不動産開発事業が占めています。
また、VHMは賃貸用のオフィスプロジェクトの開発・販売も行っています。VHMのオフィスプロジェクトは、VinhomesやVinCityプロジェクトに隣接していたり、VHMが開発した複合プロジェクトの一部として機能しています。
VHMは、2018年5月からホーチミン証券取引所(HOSE)に上場し、取引されています。
親会社
親会社は、ビングループとなります。
ビングループにつきましては、下記の記事をご参考にしてください。
経営層

会長は、グエン・デュー・リン会長(Nguyễn Diệu Linh)です。
1974年生まれと、非常に若い会長で、ベトナムが女性社会であることの象徴のような方です。
VinhGroupの副会長も務めており、その手腕に期待されている方です。
ベトナム最大の建築物 Vinhomes Landmark81
Vinhomesが運営するVinhomes Landmark 81は、ベトナム最大の規模を誇り、現在ではベトナムを象徴する建物として、よく知られています。こちらを運営している会社となります。
16本からなる住宅、広く安全な公園、ショッピングセンター、ホテルなどを備えたこの場所はベトナム人にとって憧れの場所となっています。
VN30銘柄
ビンホームズは、ベトナムでの超優良企業の指数であるVN30にも選ばれています。
ビンホームズの財務分析
最終更新 2022/2

SSI証券のデータを参照しています。
上場が2018年ということもあり、過去データより、2018年以降のデータを参考にしたほうが良いと思います。
PL
2021年の売上は850,940億ドン、経常利益は484,687億ドンとなりました。(利益率 57.0%)
2022年の売上は944,670億ドン、経常利益は403,100億ドンの計画です。(利益率 42.7%)
前期と比較して、売上:11.0% 経常利益:-16.8%の成長率です。
2022年度は成長力が弱まる公算ですが、2023年の計画には、売上33.5%増、利益59.2%増という計画が立てられており、まだまだ勢いの強い会社と言えると思います。


建設予定・販売計画から算出しているので、計画数値は確実なものと言えるでしょう。
資本効率
1株当たり純資産は、前期53,212ドン
借入金が多いこともあり、1株あたり資産は少し減少しているように思います。

成長率
1株当たり純利益は、前期7,835ドン
今期は、6,516ドンになる計画です。(上昇率:-16.8%)
高い成長力がこの会社の原動力ですが、ROEが減少していきており、高い成長力を示すことがこの会社の株価をけん引していくものと思われます。

キャッシュフロー
営業CFはしっかり確保しておりますが、投資が増大していることから借り入れ・増資などを行い、フリイーCFがマイナスになっていますが、問題はないと思います。

配当金
配当政策については、あまりはっきりしていません。
2021年は配当が発表されていますので、今後の政策に注目したいと思います。

チャート
<1年日足チャート>
Vingroupのビンホーム株売却があり、売り圧力が7月、8月から入ってきたことで下落トレンドが続いています。現在は少し持ち直したものの、緩やかな下降トレンドはつづいていますが、200日移動平均線がサポートしており、長期ベースでは問題ないと考えています。


ビングループが筆頭株主であり、今後も株を売りにくるリスクは強いと思います。
<3年週足チャート>
綺麗な上昇トレンドにのっており、問題ないと思います。

今後の見通し
VHMの将来的なポテンシャルは非常に高いとされています。
VNDIRECTによると、今後15年間の成長は確実視されています。
Vinhomes の土地バンクは、取得中の土地も含めると、合計で2021年9月時点で16,800haと、上場不動産デベロッパーの中で最も多く、同社の強力な土地取得能力とマスタープランニング能力が浮き彫りになっています。2021年9月現在、同社の土地バンクの90%はまだ配備されていない状況です。
また、ベトナムの不動産市場で支配的な地位を占めており、そのブランド力はベトナム人に多くの支持を受けています。全国的に大規模な土地面積を持ち、プロジェクトの販売と実行に豊富な実績があるため、引き続き、強い業績で伸ばしていくことが考えられます。
各地方へのVinhomes展開

ホーチミン市、ハノイへの住宅提供から地方都市にも展開を始めており、これらの販売計画は順調に進むと思われます。
- Vinhomes Wonder Park in Dan Phuong
- Vinhomes Co Loa in Dong Anh
- Vinhomes Dream City in Hung Yen

こんなところに人住むの?というエリアでも、むちゃ売れています。
この企業の持つ信頼性が、ベトナム人に人気となり、高値でも売れる要因と思います。
工業不動産への潜在的な拡大
2019年第4四半期決算発表で、VHMの経営陣は利益ポートフォリオを拡大するための新しい投資として、工業用不動産を積極的に評価していることを明らかにした。具体的には、ハイフォン省に工業用地をもっています。
まとめ・株価予想(独断)
今期はコロナ明けということで、住宅ローンの金利優遇など不動産業界には追い風になっています。
理論株価よりかなり安めで取引されており、チャートが上向きなのを継続すれば、一気に高値まで突き抜けると思っています。購入ポイントを間違いないようにしたいですが、引き続き押し目では「買い」を進めていきたいと思っています。

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