ベトナム優良企業の1つであるベトコンバンク(Vietcombank)をご紹介いたします。
正式名称は、Joint Stock Commercial Bank for Foreign Trade of Vietnamです。
ベトナムの金融業界でトップクラスの地位を占めるだけでなく、国際的な金融市場でもその存在感を強めています。2024年から2025年にかけて、一連の戦略的取り組みを通じて、さらなる成長と安定を目指しています。
本記事では、ベトコンバンクの業績と今後の取り組みについてご紹介していきます。
街のいたるところに、支店やATMを設置している大変有名な銀行です。
事業内容
会社概要
ベトコンバンク(Vietcombank, VCB)は、ベトナムにおいて大規模で最も歴史のある銀行の一つです。1963年に設立され、ベトナムの金融業界において確固たる地位を築いています。ベトコンバンクは、アグリバンク、ベトナム工商銀行(CTG)、ベトナム投資開発銀行(BID)と並ぶ国営4大銀行の一行として、ベトナム経済の中核を担っています。
伝統的な銀行業務である貿易決済、預金、貸付に加え、外貨売買、国際クレジットカード、電子銀行取引の分野でもトップクラスの地位を誇り、国際決済に関連する各取引業務において長年の歴史で培った信用を持ち、世界各国の大手銀行と強固な取引関係を築いています。
2012年1月には、みずほ銀行の資本参加を受け、その後も大垣共立銀行やフィデアホールディングス、日本の国際協力銀行など、多くの日本の金融機関と業務提携を行っています。
この提携により、VCBは日系企業および顧客向けのサービス向上が期待されています。
https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20110930release_jp.pdf
さらに、ベトナム国家銀行(中央銀行)が求める国際的な資本規制「バーゼルⅢ
このように、VCBはベトナム国内外での信頼性と競争力を高め、引き続き成長を遂げるための基盤を確立しています。
ベトコンバンクの財務分析
収益状況
2023年の売上は67,723億ドン、経常利益は33,054億ドンとなりました。(利益率48.8%)
2024年の売上は73,760億ドン、経常利益は36,232億ドンの計画です。(利益率49.1%)
前期と比較して、売上:8.9% 経常利益:9.6%の成長率です。
高い利益率と売上が順調に伸びていることがわかります。
綺麗な右肩あがりですね!
2024年の予想EPSは、6,483VNDになります。
2024年25年と利益を重ねていく計画ですね。
自己資本比率
自己資本比率は、9.0%です。
自己資本比率が8%以上であれば、一般的に健全な水準とされています。
特に、バーゼルIII規制においては、普通株自己資本比率(CET1)が4.5%以上、総自己資本比率が8%以上が求められています。
したがって、このグラフで示されている自己資本比率は、規制要件を満たしており、銀行として健全な財務状況を維持していると評価できます。
自己資本成長率
ROEは、22.0% ROAは、1.8%です。
高いROEを維持しつつ、安定したROAを達成していることがわかります。これは、VCBが株主に対して高いリターンを提供しつつ、総資産を効率的に運用していることを示しています。
銀行業界において、これらの指標が良好であることは、経営の健全性と効率性を表しており、市場で強固な地位を維持していることを裏付けています。
キャッシュフロー
事業活動を通じて強力なキャッシュフローを生み出し、それを成長のための投資に積極的に再投資していると評価できます。財務活動も慎重に管理されており、過度な借入や資本コストの増加を避けながら、戦略的に資本構造を調整していることが見て取れます。
現金残高の動きからも、VCBが適切な流動性管理を行っていることがわかります。
配当
2024年は、2023年の利益から得られた利益剰余金を利用して、株式配当を行う計画です。
現金配当ではなく、全て株式配当として支払われる予定です。
これは、VCBが自己資本の強化や今後の成長戦略のために、資本を内部で保持することを優先していることを示しています。
株価・チャート
現在の株価は下記のようになっています。(FinAnt提供)
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今後の見通し
ベトコンバンクは、2024年から2025年にかけて、複数の重要な戦略的トピックに焦点を当て、成長と安定を目指しています。
資本増強と信用成長の見通し
2024年には株式配当を通じた自己資本の強化を計画しており、これは今後の成長を支えるための重要な一歩です。さらに、2024年の信用成長は12%と予測されており、企業向け融資やインフラプロジェクトへの融資を中心に、慎重に貸出を拡大する方針です。
事業活動からの強力なキャッシュフローを維持しつつ、投資活動を戦略的に進め、安定した現金残高を確保することで、さらなる成長に向けた資金調達を円滑に行っています。
弱小銀行の強制移転とリスク管理
ベトナム国家銀行(SBV)からの要請に基づき、弱小銀行の強制移転プロジェクトにも積極的に取り組んでいます。この移転プロジェクトは、VCBが移転される銀行の経営を支援し、同時に自社の市場シェアを拡大する機会と捉えています。
リスク管理を強化し、不良債権比率を1.5%未満に抑えることを目指しており、経営の安定を確保するための戦略的な動きです。
インフラプロジェクトへの積極的な関与
ロンタイン国際空港やガスプロジェクトなど、ベトナム国内の主要インフラプロジェクトへの融資に積極的に関与しています。
これにより、長期的な成長と収益拡大が期待されています。
2020年度の利益が約14億ドルですので、毎年+10%の伸びですね
まとめ
今回は、ベトコンバンクを会社概要について、ご紹介いたしました。
ベトナム経済の伸びに合わせて、最大の恩恵を受ける会社かと思います。
財務基盤が万全なうえに、今後ますます大きな伸びが規定できすので、しっかりとポートフォリオに加えていきたい企業かと思います。
PERの過去5年平均は18.2で、予想EPSから見た適正株価は118,113VNDになります。
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