今回は、マサングループ(ティッカー:MSN)の業績・株価見通しをご紹介します。
ベトナムの食品製造から金融、小売へと進化を遂げたマサングループ—この企業がどのようにして国内外の消費者の生活に革新をもたらしているのかを考察していきます。
同社は、ベトナムの経済の急速な成長に合わせて、自身も大きく成長している企業の一つと言えます。
会社概要
概要
Masan Maritime Joint StockCompanyを母体として持つ、マサングループ / MasanGroup Corporation(MSN)は、2004年に設立されました。
マサングループは、MasanConsumer、Masan MeatLife、Masan Hitech Material、Techcombankを傘下に持つ持ち株会社です。
マサングループは、2009年後半からホーチミン証券取引所(HOSE)に上場しています。
食料品生産・販売を中心に、金融や資源開発も行う大会社です。
ビングループからVINMARTを買収し、業態変換を目指しています。
事業戦略・マーケット
マサングループは、小売、食品・飲料、畜産・飼料、鉱産の4つを主力事業としています。
畜産・飼料事業
Masan MEATLifeにより、豚肉のほか、豚の角煮・煮玉子、やハムなどの付加価値製品も生産しています。また、全国で養豚飼料工場を展開し、生産しています。
加工食品・飲料事業
Masan Consumer にて、醤油、ヌックマム、チリソ ース、即席めん、加工食肉、コーヒー分野におけるトッフメー力一であり、製造販売を行っています。
小売事業
2019年末にビングループのVinMartとコンビニエンスストアVinMart+を運営するを買収。それぞれ「ウィンマート(WinMart)」と「ウィンマートフラス(WinMart +)」に改称し、2021年6月時点で計約2500店舗を展開しています。
また、Phuoc Longという喫茶店チェーンをグループ傘下に入れ、各地域に店舗展開をしています。
銀行業界
グループ会社の1社であるTechcombank傘下に持っています。
売上高構成比率(2020年)
- 小売り40%
- 調味料・加工食品・加工済み食肉21%
- 飲料6%
- パーソナルケア・ファミリーケア:2%
- 飼料18%
- 食肉3%
- 鉱産採掘9%
グループ会社・出資関係
韓国SK企業が出資しており、当企業の今後の可能性を表しています。
韓国SKグループは6日、ベトナムの流通最大手のビンコマースに出資したと発表した。4億1000万ドル(約450億円)を投じて同社株の16.3%を取得した。SKは「ネットと実店舗を結ぶオムニチャネル事業者として成長を期待する」とし、情報通信など自社グループの既存事業との相乗効果を模索する。
日経新聞より
Alibaba / Lazada
小売り業のデジタルトランスフォーメーションを加速する
Masan Groupは、アジアを代表するeコマース企業であるAlibabaとの提携を決定し、小売チャネルのデジタル化と近代化を加速させています。
東南アジアにおけるアリババのeコマースプラットフォームであるLazadaとの契約は、Masan Groupがこのeコマースサイトの顧客ベースに到達すると同時に、新規顧客を引き付けるコストを削減するのに役立ちます。
公式ホームページ
マサングループ社の財務分析
2023年7月更新
データはSSI証券から取得しています♪
収益
2022年の売上は76,381億ドン、経常利益は3,567億ドンとなりました。(利益率4.7%)
2023年の売上は100,000億ドン、経常利益は5,000億ドンの計画です。(利益率5.0%)
前期と比較して、売上:30.9% 経常利益:40.2%の成長率です。
安定成長軌道にのってきた感じがします。
予想EPSは、3,512VNDになります。
自己資本比率
自己資本比率は、25.9%です。
自己資本比率が減ってきているのは気になります!
資産効率
ROEは、12.1% ROAは、2.7%です。
キャッシュフロー
2020年の投資キャッシュフロー(VINMART買収など)は大きくなっており、こちらの回収が計画通りにいくかがカギになると思います。
さらに2022年にも大きく投資をしており、小売りへの進出展開を加速させていることがわかります。
配当利回り
配当は下記のようになっています。
チャート
現在の株価は下記のようになっています。(FinAnt提供)
株価が全体的に下落したときに買えた方はラッキーでしたね!
今後の見通し
「食品事業」マサンコンシューマー
売上を大きく伸ばし、また利益率も改善傾向にあります。小売りをやっていることもあり、優先的に売り場を確保できているのは、強みになります。
「VinCommerce事業」
VinCommerce事業で小売りの割合を大幅に増やしてきています。この事業の成否がこの会社の命運をわけてくると思います。
ベトナム全体で昨年より154店舗を増やして3511店舗を展開しています。
「Point of Life戦略」
写真にあるように、1つの商店に生活に必要なサービス・製品を集めて販売を強化する戦略をとっています。必需品(WinMart +)、飲み物(Phuc Long)、銀行(Techcombank)、ヘルスケア(Phano Vmart)およびモバイルネットワーク(Reddi)などを一手に展開していきます。
【ベトナムが味わえる♪マサンのインスタントラーメンをどうぞ!】
まとめ・株価予想(独断)
各事業とも順調に伸びてきており、大きな投資をしているものがいつから回収期にはいるのかが一つのポイントかと思います。
PERの過去5年平均は33.8で、予想EPSから見た適正株価は118,654VNDになります。
特に押し目がきたときに狙っていくのが良いかと考えます。
<その他小売業界との比較>
<グループ会社の銀行・テッコムバンクの記事はこちら!>
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