今回は、ベトナム水力発電業界の各社を業績などを比較していきたいと思います。
石炭とガスの価格が急激に上昇する現状では、電力コストが石炭とガスの電力よりもはるかに低いため、水力発電会社には利点があります。電力不足を見越して、発電する容量を増やしている会社も出てきています。また、株価も比較的安定しており、配当利回りも高めに設定している企業が多いように思います。
しかし、水力発電の出力は安定しておらず、各地域の水の状況に依存するということに注意が必要です。
水力発電企業の紹介
水力発電は多くの企業が存在しているため、売上規模から11社をピックアップしています。
SSI証券が利用しているFiinTrade Rank という数値で会社の状態を大まかに把握できると思います。
データは2022年12月時点のものです。
- Value(価値、割安度)・・・Value株のランキング
- Growth(成長性)・・・成長株のランキング
- Momentum(勢い)・・・現在の勢い
- VGM(財務)・・・財務評価のランキング
Ticker | 社名 | 価値 | 成長 | 勢い | 財務 |
---|---|---|---|---|---|
VSH | ヴィンソン・ソンヒン水力発電 | A | A | B | A |
TMP | タックモ水力発電 | A | B | D | B |
CHP | 中部水力発電 | A | D | D | C |
SHP | 南部水力発電 | C | B | B | B |
TBC | タックバー水力発電 | B | C | B | B |
SJD | カンドン水力発電 | A | D | C | B |
SEB | 中部電気開発投資 | C | B | C | B |
S4A | セサン4A水力発電所 | D | B | C | C |
SBA | ソンバ水力発電 | B | B | B | B |
HJS | ナムムー水力発電 | C | D | C | C |
DRL | 第3電力・水力発電 | C | D | B | B |
昨年のデータと比較すると、
ヴィンソン・ソンヒン水力発電がものすごくよくなってますね
Valueが改善している会社も多くなっています。
参考までに昨年のデータを残しておきます。
銘柄 | 社名 | 価値 | 成長 | 勢い | 財務 |
---|---|---|---|---|---|
VSH | ヴィンソン・ソンヒン水力発電 | F | B | C | C |
TMP | タックモ水力発電 | B | B | C | B |
CHP | 中部水力発電 | D | B | C | B |
SHP | 南部水力発電 | D | C | B | B |
TBC | タックバー水力発電 | B | C | B | B |
SJD | カンドン水力発電 | B | C | C | B |
SEB | 中部電気開発投資 | D | C | C | C |
S4A | セサン4A水力発電所 | D | C | C | C |
SBA | ソンバ水力発電 | D | C | D | C |
HJS | ナムムー水力発電 | F | C | F | F |
DRL | 第3電力・水力発電 | C | A | B | A |
2022年株価推移
2022年の株価推移です。
昨年株価を落とす企業が多かったですが、比較的強かった銘柄が多かったようです。
ROE、PERのバブルチャート
縦軸がPER・横軸がROEとなります。円の大きさが時価総額となります。
PER10以下、ROE20~30あたりに集中しています。
急成長はしないものの、まだ割安な業界ともいえると思います。
石油・ガスが値上がりする中、水力発電業界が発電量をのばしていくことも予想されるため、発電量の推移などをみて投資判断をしていくのも良いと思います。
参考までに昨年のデータを残しておきます。
2021年売上ランキング
下記のグラフは、各社の売上・経常利益・利益率を表しています。
左から時価総額の高い会社順に並べています。
売上トップ・利益額トップは、ともにヴィンソン・ソンヒン水力発電(VSH)でした。
業界全体として、高い利益率を誇っており、安定性がある業界と思います。
EPS・BPS、PER比較
下記のグラフは、各社のEPS、BPS(左軸)・PER(右軸)を表しています。
左から時価総額の高い会社順に並べています。
配当利回りランキング
2020年度の配当実績です。Trading View データから取得しています。
昨年の配当実績÷現在の株価のため、過去の実績利回りではありません。
配当性向が高い企業が多いようです。利益を株主に還元する姿勢は強い業界のようです。
Ticker | 社名 | 利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|
DRL | 第3電力・水力発電 | 10.36 | 102% |
TBC | タックバー水力発電 | 10.17 | 70% |
SHP | 南部水力発電 | 7.56 | 58% |
S4A | セサン4A水力発電所 | 7.25 | 67% |
SEB | 中部電気開発投資 | 6.01 | 58% |
HJS | ナムムー水力発電 | 5.53 | 77% |
VSH | ヴィンソン・ソンヒン水力発電 | 3.16 | 22% |
まとめ
今回は、水力発電の会社について、比較・まとめを行いました。
WEBページをみても、なかなかその戦略というのはわかりずらく、どの会社が良いというのは難しかったのですが、ディフェンシブ銘柄として人気を集め、石油価格が不安定の中で、水力発電全体として伸びていく可能性は高いと思います。
個別でみても、出来高があまり多くなく、値動きも読めない印象です。配当性向も100%に近く、利益が出たものをそのまま還元してくれる傾向のため、債券的にもって配当をもらう戦略が良いと思います。
それでは
<関連記事>
業界比較のまとめ記事です。
コメント
こんにちは。
COPの動きを見ると、やはり水力発電は中期的なテーマ株の一つになるでしょうね。
それにしてもレタントンさんのサイトは、デザインもスッキリしつつ上品でも美しい。見やすくて分かり易いし、何より分析も客観的で勉強になります。
すごいなぁ・・・(尊敬!)
ありがとうございます!
ベトナムは産油国ですが、国内の需要を賄うことができないので
今後緊急なテーマになるのかなぁと思っています。
ブログはいつまで続けられるかわかりませんが、
自分の備忘録にもなりますし、誰かのお役に立てるのはうれしいですね!