2025年・水力発電の各社比較とおすすめ(高配当)

業界別

今回はベトナム水力発電業界の各社を業績などを比較していきたいと思います。

現在、石炭やガスの価格が急騰する中、水力発電はコスト面で優位性があります。

化石燃料を使用する火力発電と比べ、発電コストが低いため、水力発電企業の収益環境は良好です。

また、水力発電企業の株価は比較的安定しており、高い配当利回りを設定している企業も多く、投資対象として魅力があります。

ただし、水力発電は降水量やダムの水位などの自然環境に大きく依存しているため、発電量が安定しないリスクがあります。

特に乾季には発電能力が低下する可能性があり、企業ごとに発電計画やリスク管理の違いが見られます。

今回は、こうした状況を踏まえ、ベトナムの水力発電企業の業績や成長性を比較していきます。

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2025年の展望

ベトナムの水力発電は、長年にわたり同国の主要な電力供給源として重要な役割を果たしてきました。

特に、ソンラ水力発電所(2,400 MW)やライチャウ水力発電所(1,200 MW)などの大規模プロジェクトが挙げられます。

2025年に向けて、ベトナム政府は電力供給量の増加を計画しており、前年比12.2%増の3,475億kWhを目指しています。

この増加分を賄うため、水力発電を含む再生可能エネルギーの活用が引き続き重要となります。

しかし、近年の気候変動による降水量の変動や干ばつの影響で、水力発電の安定性に課題が生じています。

特に乾季の降雨量不足は、水力発電量の減少を招き、電力供給に影響を及ぼす可能性があります。

これらの状況を踏まえ、ベトナム政府は電力供給の安定性を確保するため、石炭火力発電の高稼働を計画しています。

ただし、長期的には再生可能エネルギーの比率を高める方針を掲げており、水力発電の効率化や新規プロジェクトの開発が期待されています。

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水力発電企業の紹介

水力発電は多くの企業が存在しているため、売上規模から11社をピックアップしています。

SSI証券が利用しているFiinTrade Rank という数値で会社の状態を大まかに把握できると思います。

データは2024年12月時点のものです。

  • Value(価値、割安度)・・・Value株のランキング
  • Growth(成長性)・・・成長株のランキング
  • Momentum(勢い)・・・現在の勢い
  • VGM(財務)・・・財務評価のランキング
Ticker社名価値成長勢い財務
VSHヴィンソン・ソンヒン水力発電AABA
CHP中部水力発電ADDC
TMPタックモ水力発電ABDB
SHP南部水力発電CBBB
TBCタックバー水力発電BCBB
SBAソンバ水力発電BBBB
SEB中部電気開発投資CBCB
S4Aセサン4A水力発電所DBCC
SJDカンドン水力発電ADCB
HJSナムムー水力発電CDCC
DRL第3電力・水力発電CDBB
レタントン
レタントン

ヴィンソン・ソンヒン水力発電が安定しています。

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2024年株価推移

2024年の株価推移です。

株価推移を見ると、SHP(南部水力発電)、SBA(ソンバ水力発電)、TBC(タックバー水力発電) などは市場平均(VN-INDEX)を上回る成長を記録しました。

これらの企業は安定した収益性が評価され、堅調な推移を維持しています。

一方で、VSH(ヴィンソン・ソンヒン水力発電)やS4A(セサン4A水力発電) は市場平均に近い動きを示しており、中長期的な成長が期待される銘柄です。

しかし、DRL(第3電力・水力発電)やHJS(ナムムー水力発電) は大幅に下落し、投資家の関心が低下しています。これは、水力発電特有の供給リスク(降水量の変動)や政策の影響が要因と考えられます。

ROE、PERのバブルチャート

縦軸がPER・横軸がROEとなります。円の大きさが時価総額となります。

VSH(ヴィンソン・ソンヒン水力発電)は、PER(株価収益率)が最も高く、投資家の成長期待が強い企業です。ただし、ROE(自己資本利益率)はそこまで高くないため、現在の収益性はまだ発展途上にあると考えられます。

同様に、CHP(中部水力発電)やTBC(タックバー水力発電) もPERが比較的高く、長期的な成長が見込まれていますが、ROEの面ではやや控えめです。

一方で、SJD(カンドン水力発電)やDRL(第3電力・水力発電)はROEが高く、現在の収益性が優れていることがわかります。これらの企業は、安定した事業基盤を持ちつつ

2024年売上ランキング

下記のグラフは、各社の売上・経常利益・利益率を表しています。

左から時価総額の高い会社順に並べています。

売上トップ・利益額トップは、ともにヴィンソン・ソンヒン水力発電(VSH)でした。

業界全体として、高い利益率を誇っており、安定性がある業界と思います。

EPS・BPS、PER比較

下記のグラフは、各社のEPS、BPS(左軸)・PER(右軸)を表しています。

左から時価総額の高い会社順に並べています。

配当利回りランキング

2024年度の配当利回りです。Trading View データから取得しています。

昨年の配当実績÷現在の株価のため、過去の実績利回りではありません。

配当性向が高い企業が多いようです。利益を株主に還元する姿勢は強い業界のようです。

Ticker社名配当(%)
SJDカンドン水力発電12.54
TMPタックモ水力発電12.46
SHP南部水力発電8.58
S4Aセサン4A水力発電所8.24
DRL第3電力・水力発電7.54
CHP中部水力発電7.4
SBAソンバ水力発電7.33
HJSナムムー水力発電6.94
SEB中部電気開発投資6.47
VSHヴィンソン・ソンヒン水力発電3.01

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まとめ

今回は、水力発電の会社について、比較・まとめを行いました。

ベトナムの水力発電は、長年にわたり同国の主要な電力供給源の一つとして機能しており、再生可能エネルギーの中核を担う分野です。しかし、近年は気候変動による降水量の変動や乾季の水不足が影響し、安定的な発電に課題が生じています。

今後の市場動向として、水力発電は引き続き重要な役割を担いながらも、LNG発電や再生可能エネルギーとの組み合わせによる安定供給が求められるでしょう。投資の観点では、安定収益を確保できる企業を選び、政府のエネルギー政策の動向を注視することが重要となります。

それでは

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コメント

  1. 銭1 より:

    こんにちは。
    COPの動きを見ると、やはり水力発電は中期的なテーマ株の一つになるでしょうね。

    それにしてもレタントンさんのサイトは、デザインもスッキリしつつ上品でも美しい。見やすくて分かり易いし、何より分析も客観的で勉強になります。
    すごいなぁ・・・(尊敬!)

    • レタントン より:

      ありがとうございます!

      ベトナムは産油国ですが、国内の需要を賄うことができないので
      今後緊急なテーマになるのかなぁと思っています。

      ブログはいつまで続けられるかわかりませんが、
      自分の備忘録にもなりますし、誰かのお役に立てるのはうれしいですね!

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