今回は、ベトナムを代表する金融機関、軍需商業共同株式銀行(MBBank:ティッカーMBB)をご紹介いたします。
MBBankは、ベトナムの金融業界においてその革新性と堅実な運営で知られており、特にデジタルバンキングやリスク管理の分野で業界をリードしています。MBBankは、その戦略的な拡大と強固な財務基盤により、国内外での影響力を強化し続けています。
また、MBBankはVittelグループ内のシナジーを最大限に活かし、消費者金融や保険業務など多岐にわたる分野で成長を加速させています。これにより、ベトナムの金融市場におけるリーダーシップを確固たるものにしつつ、国際的な競争力も高めています。
この銀行がどのようにさらなる成長を遂げていくのか、銘柄検討の参考にしていただければ幸いです。
会社概要
会社概要
ハノイに拠点を置くミリタリーバンク(Military Commercial Joint Stock Bank : ティッカーMBB)は、1994年に設立され、軍需企業のビジネス活動を支援することを目的としています。
設立以来、MBBはベトナムの民間商業銀行の中で最大規模の一つとして成長を遂げ、特に軍事関連の金融サービス分野で強みを発揮しています。
MBBの筆頭株主は、ベトナム国防省傘下の大手通信・IT企業であるVittelであり、この背景からもMBBが軍隊や防衛関連の企業と強固な関係を築いていることが伺えます。MBBは、こうした軍事関連企業に特化したサービスを提供するだけでなく、銀行業務、金融サービス、ファンドマネジメント、アセットマネジメント、不動産など、幅広い業務を展開しています。
特に、MBBは従来の市場に加え、一般顧客や企業の多様化するニーズに応えるため、さまざまな金融商品やサービスの開発を進めており、顧客基盤を広げています。これにより、MBBは単なる軍需関連の銀行から、総合金融サービスを提供する大手商業銀行へと進化しました。
2001年には、ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場し、ベトナムの金融市場においても存在感を強めています。また、MBBはベトナム国家銀行(中央銀行)が求める国際的な資本規制「バーゼルII」をいち早く適用し、国際基準に準拠した堅実な経営体制を整えています。
Vittel Groupの一員で、元・国防省傘下の銀行です。
主要顧客を固めていることから手堅い経営をしているようです。
事業戦略・マーケット
MBB銀行は、高収益が見込める消費者ローン事業と生命保険事業に注力しています。クロスセールスを通じて、グループ各社の経営効率を向上させるとともに、顧客の利便性を高める計画を進めています。また、子会社のMB証券(MB Securities)の一部出資を回収しつつ、引き続き経営支配権を保持することで、グループ全体の効率化を図っています。
消費者融資事業
MBB銀行は、2016年11月に新生銀行(現:SBI新生銀行)と提携し、新生銀行がMBファイナンス(MCredit)の株式49%を取得しました。
この提携により、MBB銀行は消費者金融市場で4位のシェアを確保しており、今後も消費者融資事業を拡大する計画です。
保険事業
MBB銀行は、損害保険事業を手掛ける軍隊保険(MIG)を傘下に持ち、損害保険料収入で国内6位にランクインしています。また、生命保険事業では、MBアジアス生命保険(MB Ageas Life)を子会社として展開しており、バンカシュアランス(銀行窓口での保険販売)を介した生命保険料収入でトップ5に位置しています。
この分野における強力な市場ポジションを活かし、さらなる成長を目指しています。
証券事業
証券事業においては、子会社のMB証券(MB Securities)がブローカー業務で国内シェア6位を占めています。今後もこのポジションを強化し、グループ全体の収益拡大に寄与する計画です
公式ホームページ
軍隊銀行の財務分析
2024.8月更新
データはSSI証券から取得しています♪
収益
2023年の売上は38,684億ドン、経常利益は21,054億ドンとなりました。(利益率54.4%)
2024年の売上は46,592億ドン、経常利益は23,571億ドンの計画です。(利益率50.6%)
前期と比較して、売上:20.4% 経常利益:12.0%の成長率です。
MBB銀行が2023年から2025年にかけて大幅な成長を予測しており、売上と利益が共に拡大していることがわかります。利益率は安定しているものの、今後の競争やコスト管理の動向が利益率の維持に重要な役割を果たすと考えられます。
2024年の予想EPSは、4,521VNDになります。
2023年を経て、2024年以降に向けて収益性と資産価値の両面で強い成長が見込まれています。EPSとBPSの両方が安定して成長していることがわかります。
自己資本比率
自己資本比率は、10.2%です。
1株あたり収益・資本、ROE/ROA
ROEは、24.5% ROAは、2.5%です。
キャッシュフロー
2023年において強い事業キャッシュフローを生み出し、それに伴って現金残高を大幅に増加させたことが明らかです。これにより、銀行は健全な財務基盤を維持しつつ、将来的な投資や配当の支払いに対応できる余裕を持っていることが伺えます。
配当利回り
配当利回りは下記のようになっております。
2023年、2024年と500ドンの配当がでています。
株価・チャート
現在の株価は下記のようになっています。(FinAnt提供)
今後の見通し
下記の3つの施策により、MBB銀行は2024年と2025年において持続的な成長と収益性の向上を目指しています。
デジタルバンキングと顧客基盤の拡大
デジタルバンキングの強化を通じて、若年層や技術に精通した顧客層を獲得し、CASA比率を高めることで、安定した資金調達を実現しています。また、新たな市場や顧客層に対応する金融商品やサービスの多様化も進めています。
2. リスク管理の強化と資産の質向上
不動産や社債などのリスクの高い分野への融資管理を厳格化し、2023年に発生した不良債権の早期回収に取り組むことで、資産の質を改善しています。これにより、不良債権比率を低減し、健全なポートフォリオを維持しています。
3. 収益源の多様化とNIMの改善
融資依存を減らし、保険商品や資産管理サービス、証券取引、外国為替取引など、非利息収入の多様化を進めています。同時に、貸出金利の見直しや資金調達コストの低減により、純利息マージン(NIM)の改善を図り、収益性を向上させています。
まとめ・株価予想(独断)
今回は、ミリタリーバンク(MBB)を会社概要について、ご紹介いたしました。
財務基盤が万全なうえに、今後ますます大きな伸びが規定できすので、しっかりとポートフォリオに加えていきたい企業かと思います。
PERの過去5年平均は7.5で、予想EPSから見た適正株価は33,796VNDになります。
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