ベトナム最大の商業施設運営:ビンコムリテール(VRE)の未来(2024年)

個別株

今回は、商業施設を運営するビンコムリテール社(ティッカー:VRE)について、ご紹介したいと思います。

ベトナムを代表する企業の1つであるビングループの一員です。

主に商業施設の運営をおこなっています。

コロナ禍で商業施設が大苦戦する中、売上は減少したものの、高い利益率を誇っており、アフターコロナ銘柄としては注目できる企業の1つだと考えています。

2022年はV字回復を狙っているような計画ですので、注目していきたい企業です。

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会社概要

ホーチミン市Landmark81内のVincom Center

概要

ビンコムリテール (Vincom Retail Joint Stock Company )【ティッカー:VRE】は、2012年に設立され、小売店のセンターや関連サービスのリース、不動産の投資・開発・取引などを行っています。

2018年末までに、ビンコムリテール社はベトナムの63省・市で80のトレーディングセンターを管理・運営・リースしており、小売床面積の合計は150万m2に達しています。

VREは、2017年末からホーチミン証券取引所(HOSE)に上場し、取引されています。

レタントン
レタントン

ビングループの一員で、商業施設運営している会社です。

ミーちゃん
ミーちゃん

コロナで苦しんでいますが、ベトナムの発展とともに大きく成長する会社ですね。

事業戦略・マーケット

ハノイ市とホーチミン市の2大都市を中心に、全国63省・市中43省・市で80か所を運営しています。

  • 大都市の一等地に高級ショッピングモールビンコム・センター(Vincom Center)
  • 都市部の好立地に大型ショッピングモール「ビンコム・メガモール (Vincom Mega Mall)
  • 都市部に一家で楽しめるビンコム・プラザ(Vincom Plaza)
  • 街の小売店ビンコム・プラス(Vincom+)

ベトナム国内最高層でホーチミン市内の不動産コンプレックス「ランドマーク81」内にあるビンコム・センターはフラッグシップ店舗となっており、国内最大規模のシネコンやアイスリンクなどを併設しています。

VREの社歴(公式HPより)

公式ホームページ

英語版

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ビンコムリテール社の財務分析

2024.8月更新

レタントン
レタントン

データはSSI証券から取得しています♪

収益

2023年の売上は9,791億ドン、経常利益は4,409億ドンとなりました。(利益率45.0%)

2024年の売上は9,246億ドン、経常利益は4,137億ドンの計画です。(利益率44.7%)

前期と比較して、売上:-5.6% 経常利益:-6.2%の成長率です。

VREは、2023年にピークを迎えた後、2024年には若干の減少が予測されますが、2025年には再び成長が見込まれています。この安定した売上と利益のパターンは、同社が市場において確固たる地位を築いており、長期的な成長ポテンシャルを持っていることを示唆しています。

レタントン
レタントン

2023年が良すぎたというのもあり、2024年は減収減益予想です。

2024年の予想EPSは、1,820VNDになります。

BPSの安定した成長は、同社の資本の増加を反映しており、資産価値が着実に増加していることを示しています。これは、長期的に株主価値が向上している証拠となります。

レタントン
レタントン

資本の増加は頼もしいです。

自己資本比率

自己資本比率は、79.4%です。

自己資本比率は、同社が健全な財務基盤を持っていることを示しています。

借入依存度が低く、経営の安定性が高いことが評価できます。

資本効率

ROEは、12.4%  ROAは、9.8%です。

ROEとROAは2023年に高水準を達成した後、2024年にはやや減少するものの、2025年には再び増加が見込まれています。これは、同社が効率的に資産を運用し、株主価値を創出する能力を持っていることを示しています。

キャッシュフロー

キャッシュフローは以下の通りです。

2023年に営業キャッシュフローがピークを迎えた後、2024年には減少することが予測されています。

これは、投資活動や運転資金の増加、あるいは一時的な営業コストの上昇が原因と考えられます。

しかし、財務活動によるキャッシュフローが増加していることから、外部からの資金調達を通じてこの減少を補完していると考えられます。

現金残高が大幅に減少する見込みであるため、資金管理や流動性リスクに対する慎重な対応が求められます。

配当利回り

配当は下記のようになっております。

2019年に配当が出ていますが、無配が続いています。

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チャート

現在の株価は下記のようになっています。(FinAnt提供)

【ベトナムが味わえる♪ビナミルクのココナッツジュース!】

今後の見通し

Vincom Mega Mall smart City

市場拡大と新規開業

2024年には、Vincom Retailが新たに4つのショッピングモールを開業し、特に注目されるVincom Mega Mall Ocean Cityは2025年4月にオープン予定です。この新規開業により、同社の総床面積は1.81百万平方メートル以上に達し、市場カバレッジがさらに強化されます。2024年末には他の2つのモールが開業予定であり、これにより市場での競争力がさらに増す見込みです​。

財務健全性と戦略的パートナーシップ

2024年後半には、Vincom Retailはビングループへの貸付金を回収する予定であり、これは同社の財務健全性に寄与します。第2四半期末時点で、同社は16,100億VNDの事業および投資目的のためのデポジットを持っており、そのうち13,800億VNDはビングループおよび関連企業に対するものです。この戦略的資金管理は、将来的な土地へのアクセスや資産の取得を確保するために重要な役割を果たします​。

ビングループ不振による影響・リスク

ビングループの業績低迷は、Vincom Retail (VRE)に対し、資金回収の遅延、プロジェクトの遅延、投資家信頼の低下、戦略的支援の減少などのリスクをもたらす可能性があります。これにより、VREの成長と財務健全性に影響が及ぶ可能性があります。

<その他小売業界との比較>

まとめ・株価予想(独断)

ベトナム最大のショッピングモール運営会社であるVincom Retailは、今期高い売上・利益目標をたてており、将来の展望に楽観的な姿勢を持っていることを示しています。

Vincom Retail (VRE)は、安定した財務基盤と長期的な成長ポテンシャルを持つ企業です。

一時的な業績の減少やキャッシュフローの減少が懸念されますが、全体としては健全な経営を維持しており、2025年には再び成長軌道に乗ると予想されます。

特に、株主価値の向上に努めており、投資家にとって魅力的な企業と言えるでしょう。

PERの過去5年平均は18.3で、予想EPSから見た適正株価は33,241VNDになります。

親会社のVingroupです。ビンコムリテール社の筆頭株主です。

グループ会社 最強の不動産会社Vinhomes

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