今回はベトナムを代表するIT企業・FPT情報通信(ティッカー:FPT)をご紹介いたします。
FPTは、ベトナムのIT業界をリードする企業であり、その革新的な技術と戦略的提携により、グローバルAI市場での存在感を急速に高めています。NVIDIAとの提携を通じて、AI工場やクラウドゲーミングへの大規模な投資を行い、未来の技術革新に貢献しようとしています。
堅実な財務基盤を持ち、世界に向けて新たな可能性を切り開くFPTの今後の動向は、注目に値します。
ベトナム発のグローバルリーダーがどのように成長していくかを見ながら、銘柄検討の材料にしていただければと思います。
会社概要
会社概要
FPT Corporation(FPT) は、1988年に設立されたベトナムを代表するIT企業です。
設立以来、ソフトウェア開発、ITサービス、電気通信、教育など、幅広い事業を展開し、国内外で高い評価を得ています。
本社はハノイにあり、従業員数は約3万人以上に達しています。
FPTの主な事業には、ソフトウェア開発、情報とシステムの統合、通信、教育やトレーニングが含まれます。特に、グローバル企業向けのソフトウェア開発や、クラウドコンピューティング、AI、IoTなどの先進技術を駆使したITソリューションの提供が強みです。
また、FPTはベトナム国内において、FPTはベトナム国内でトップ3に入る主要なインターネットサービスプロバイダーです。
国際的には、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界中にオフィスを持ち、日本、アメリカ、ドイツなどの市場で大きなシェアを有しています。
今後もデジタル変革を推進し、グローバルなITリーダーとなることを目指しています。
FPTはベトナム政府、特に情報通信省(MIC)との強力な関係を築いており、国家規模のITプロジェクトやデジタルインフラの整備において重要な役割を果たしています。
政府のデジタル変革やICT分野の政策を実施するパートナーとして、IT人材育成や公共プロジェクトへの参加を通じて、国の発展に貢献しています
さらに、FPTは技術製品の流通および小売り、証券、ポートフォリオ管理を専門とするアソシエイト企業にも投資しています。
FPTは2006年12月にホーチミン証券取引所(HOSE)上場し、それ以降も持続的な成長を続けています。
ベトナムNo.1のIT会社です。IT技術を売りに様々な業界に進出しています。
財務状態もよく、さらに成長を続けていける会社です。
関連会社・子会社
子会社
- FPT Software
- FPT Information System
- FPT Telecom(ティッカー:FOX)
- FPT Online(ティッカー:FOC)
- FPT Education
- FPT Investment
- FPT Smart Cloud
関連会社
- Synnex FPT
- FPT Retail(ティッカー:FRT)
- FPT Securities(ティッカー:FTS)
- FPT Capital
公式ホームページ
FPT社の財務分析
2024年8月更新
データはSSI証券から取得しています♪
収益
2023年の売上は52,625億ドン、経常利益は7,788億ドンとなりました。(利益率14.8%)
2024年の売上は62,406億ドン、経常利益は9,293億ドンの計画です。(利益率14.9%)
前期と比較して、売上:18.6% 経常利益:19.3%の成長率です。
売上・利益とも右肩あがりで安定感があります。
2025年までは安定ですね。
自己資本比率
自己資本比率は49.7%です。
2021年負債が増えておりましたが、2022年には減少に転じており、自己資本比率も回復してきています。
1株あたり収益・資本、ROE/ROA
2019年から2023年にかけて資産と自己資本が着実に増加しています。
2021年から2023年にかけて特に顕著な成長が見られ、これは企業が安定的に資本を拡大し続けていることを示唆します。
ROEは20%後半をキープしており、非常に高い成長率を誇っています。
キャッシュフロー
事業活動によるキャッシュフローが安定して企業基盤が強固である一方で、成長のための積極的な投資を継続し、現金残高の増加からキャッシュフロー管理の健全性も維持されていることが確認できます。
配当利回り
2024年も20%(2,000ドン)の現金配当を予定しています。
チャート
現在の株価は下記のようになっています。(FinAnt提供)
今後の見通し
NVIDIAおよびCreatioとの戦略的提携
FPTは、NVIDIAおよびCreatioとの戦略的提携、ならびにAseanConnect.One連盟の設立を通じて、顧客基盤とITの可能性を強化しています。
2024年4月23日、FPTはNVIDIAとの提携を発表し、2億ドルを投資してAIファクトリーを建設するほか、NVIDIAのグローバルシステムインテグレーターとなること、AI技術の発展、クラウドゲーミングの促進などを行います。
これにより、FPTはAI技術、特に生成AIの分野で世界的なリーダーを目指しています。
また、2024年5月28日には、ノーコードプラットフォームの米国企業Creatioとの提携を発表し、FPTがグローバルシステムインテグレーターとしてノーコードソリューションの普及を推進します。
これにより、FPTの専門知識が向上し、世界市場における地位が強化される見込みです。
さらに、2024年6月4日には、FPT Telecom InternationalとASEAN地域の主要情報通信会社がAseanConnect.One連盟を設立し、ワンストップサービスの提供とネットワーク接続の改善を目指します。
この提携により、FPTの情報通信サービス、特にデータセンターの品質向上と顧客基盤の拡大が期待されています。
現在の安定業績に加えて、活躍の場が広がっていく可能性を感じます。
売上貢献は2025年から
FPTは、計画中のAIファクトリーを通じて、2027年までにクラウドGPUサービスから最大1億ドルの売上を目指しています。
このプロジェクトは、NVIDIAのH100 Tensor Core GPUを活用し、アジアでのAI導入を加速することを狙っています。
AIファクトリーの建設よりも、サーバー展開と地元データセンターの利用に焦点を当てており、2025年から利益を見込み、2027年には年間1億ドルに達する見通しです。
AIファクトリーとは、人工知能(AI)に関連する技術やサービスを開発・提供するための施設やインフラを指します。具体的には、大規模なデータセンターやサーバーファームを構築し、AIモデルのトレーニングやデプロイメントをサポートするための計算リソースを提供するものです。FPTが計画しているAIファクトリーでは、NVIDIAの最先端GPUを活用して、クラウドベースのAIサービスを提供し、主にアジア市場でのAI導入を促進することを目指しています。
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まとめ・株価予想(独断)
外国人枠の関係で買えない方が多いと思いますが、買いのチャンスが来たら、ぜひ入手しておきたい銘柄です。
PER5年平均19.8として、EPSが会社予定通りになると、株価予想は12,117ドンを超えるものとなります。
現在、外国人枠も空いており、株価は若干割高水準ですが、このチャンスを逃さずポートフォリオに入れておきたい銘柄かと思います。
IT業界は世界的にも伸びており、FPTに関してはじっくりと成長していく企業としての安定性を感じるとともに、AIや半導体ブームにも乗れる非常に強い銘柄と考えています。
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